キリンカップサッカー2005:日本代表vsペルー代表

●5月22日(日)13:20キックオフ/新潟スタジアム
KIRIN WORLD CHALLENGE キリンカップサッカー2005 -Go for 2006!-
日本代表 0-1 ペルー代表
得点者:
94+分 バサージョ(ペルー)

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日本代表メンバー:
23 GK 川口 能活 (磐田)
17 DF 三浦 淳宏 (神戸)
2 DF 田中 誠 (磐田)
5 DF 宮本 恒靖 (G大阪)(Cap)
14 DF 三都主アレサンドロ (浦和)
26 DF 坪井 慶介 (浦和)
15 MF 福西 崇史 (磐田)
8 MF 小笠原 満男 (鹿島)
4 MF 遠藤 保仁 (G大阪)
11 FW 鈴木 隆行 (鹿島)
28 FW 玉田 圭司 (柏)
控え
12 GK 土肥 洋一 (F東京)
1 GK 楢崎 正剛 (名古屋)
22 DF 中澤 佑二 (横浜FM
21 DF 加地 亮 (F東京)
25 DF 茶野 隆行 (千葉)
19 MF 本山 雅志 (鹿島)
29 MF 稲本 潤一 (WBA
31 FW 大黒 将志 (G大阪)
【監督】ジーコ

試合後のコメント
ジーコ監督(日本代表)
「ゲームとしては、日本のホームということでサポーターにも勢いがあるし、技術的にもペルー代表はこちらを評価しているので、当然引き気味でカウンター狙いということは100%以上想像できたことで、そこを全員で確認しあって出ました。展開を振り返ると、決定的なチャンスを彼らもそして彼らより多く日本代表も作り出したのですが、なかなかフィニッシュの精度が低く点が決まらずにいたところを、最後の最後に自分たちでは一番注意しなくてはならないカウンターという形で点を取られてしまった、ということです。

大きなこれからの課題としては、まず一つはシュート、これは完璧な体勢ではないときにどうしても打ち急いでしまうということに対して、みんなでこの数日間話し合ってきたのですがそれをまず改善していく、打ち急がないということです。とにかく(シュートが)ワクをとらえるということの大切さ、ここも大きな課題として残ったところだと思います。そういったところを良くしていこうという段階でこういった敗戦がおこったと思います。まったく違った方向に行っているわけでもないし、勝負を分ける正しいポイントをしっかりととらまえてやっていけば、必ず良い結果につながると考えています。」

Q.勝負を分けるポイントしっかり見極めたい、とのお話でしたが、こういった大歓声が上がる会場では指示が通りにくくなるかとも思います。選手たちの守る場面、攻める場面での判断をゆだねている部分はどれだけあったのでしょうか?
「選手にゆだねるというより、実際には数日間の練習がありますので、そこで確認していきます。もちろん大歓声の中では指示が伝わりにくいのですが、それをクリアできるように、練習そして試合開始前のミーティングで確認していきます。カウンターの場面がありましたが、ちょっとしたミスがおきた場合にもう一度確認をして精度を上げて、二度とミスを繰り返さないということになると思います。」

Q.ペルー代表の印象とプレーヤーでの注目選手、そしてテルネロ監督と試合終了後に言葉を交わしたようですが、その内容を教えていただけますか?
「今回戦ったチームは、南米予選で見ているチームとはまったく違う新しいチームでした。とはいえプレースタイルは細かくパスを繋ぎ自分たちの展開に持っていく、個人技が巧みなチームという印象です。昔に比べれば飛びぬけた実力を持ったプレーヤーはいませんが、どちらかというとコンパクトにして自分たちの良さを活かしていくといったチームだと感じました。目立った選手は7番、11番、それと特に目立ったのはバックの大きい選手です。あとテルネロ監督ですが『南米予選は厳しい戦いになると思いますが、ぜひとも期待をしています』と声をかけました。」

Q.前半なのですが、ボールは支配していましたがゴールに直結するプレーが足りない印象を受けました。慎重だった気がするのですが?
「前半から彼らはかなり引き気味で来るだろう、特に中盤をつぶしに来るということが分かっていましたが、それが思いの他強かったのです。そういうことで積極的にゴールに向かうというボールがタテに出せずに、サイドから攻撃を組み立てることになったのですが、最後のところでニアで跳ね返されていました。そういったトライしているところをもう一度確認するということです。」

Q.多くの選手がバーレーン戦に向けてアピールしたいと考えていたと思いますが、印象に残った選手は?
「特にどの選手ということではなく、みんながやる気にみなぎっていたと思いますし、自分の持っている力を精一杯出したと思います。UAE戦に関しては、ペルー対UAE戦を見て判断します。キリンカップ優勝を狙えるようであれば取りに行きますし、そうでなければ別のことを考えます。」

Q.大黒選手の出来について、それから中澤選手と加地選手の怪我の状況、そして高原選手の怪我という情報についてはどうですか?
「高原の状態に関しては正式な連絡が来ていないのでなんとも言えないし、よく分からない。加地に関しては次のUAE戦には行けそうで、中澤に関しては状態は良くなっているし、歩くのには支障がない状態なので、このままリハビリを積んでUAE戦出場には大きな問題はないと思います。大黒は彼の良さが出ていたと思います。FWとして中央で受けてシュートを狙うという形、それから中央でボールに絡むという良さ、ゴールに向かうという良さ、小笠原に合わせた積極性が出ていたと思います。」
●FW 28 玉田圭司選手(柏)
「自分としては良くできたが、負けてしまったので…。
向こうはワンタッチプレーが上手かった。
今日のことは終わってしまったことなので、次に向けていい準備が出来ればと思う。」
●MF 29 稲本潤一選手(ウエストブロミッチ)
「個人としてはコンディションも良くて、合流して4日目にしては動けたと思う。
チームとしては最後で失点してしまったことは、反省しなくてはいけない。ああいう場面はバーレーンでも想定されるので、もう一度ビデオを見直したい。
ハーフタイムで監督から、出来るだけ前目でボールをもらってスペースに出るように指示が出た。縦に入るボールに対して、フリーランする場面が少なかったので、それは意識的にやった。
(点を取れなかったことに関しては)シュートの正確性に欠けるということ。しかしそれだけシュート打っていたし、続けていれば入ると思う。
今日は負けたけど、本番まであと1試合あるので、いい形でバーレーン戦にいければと思う。」
●DF 17 三浦淳宏選手(神戸)
「攻撃は積極的にいけたが、最後に点を取りにいってカウンターを食らって失点してしまった。そこは修正していかなくてはいけない。
前半は相手も勢いよくプレッシャーにくるので、ある程度厳しいとは思っていた。ハーフタイムで前目に攻撃的に行こうと監督から指示が出た。
今日が本番じゃなくて良かった。まだ修正する時間がある。内容はもっともっと良くなると思う。UAE戦までにチームが一丸となって少しでもよくなるようにしていきたい。」

Qサイドチェンジについて
ボランチからのサイドチェンジがもっとあればよかった。サイドではっていて、今くればチャンスという時もあった。サイドチェンジをすることで、試合の展開も変わるので、もっと話し合って対応できればと思う。

Q自分自身のアピールについて
―悪くはなかったと思う。試合前に監督から、積極的にミドルシュートを打っていけと言われていた。積極的な姿勢を見せることが出来たし、自分自身も楽しんでやれた。しかし手ごたえはまだまだ。
●MF 8 小笠原満男選手(鹿島)
「今日は良くなかったですね。体の重さはそうでもなかったんですが。
相手はマンツーマンできていたんですが、もっといい形でもらえていればチャンスは作れたと思う。
崩すところで引っかかってしまいました。だから流れるようなリズムで作れなかった。ボランチの一人に上がってほしいということは、ジーコも言っていた。もう一人くらいいた方が良かった。
サイドも必要ですが、真ん中で崩す形も必要だと思う。そういう意味では外の選手(三浦)が中にはいることでためることができたと思う。シュートで終わりたかった。
クロスを入れて跳ね返されて、戻ってまたクロスを入れて跳ね返されてを繰り返した。リズムを作れなかった。選手の距離が遠かったですね。あと一つあるので、次は結果を出したいです。」

Q稲本選手、大黒選手が入ってから良くなったように感じましたが。
―入っていけるところが増えた。そこでつなげれば良かったんですが、最後は崩してという形にはならなかった。
●GK 23 川口能活選手(磐田)
「この合宿の次もありますし、もっとできると思う。自分のプレーを出していければと思う。」
●FW 31 大黒将志選手(G大阪
「出てすぐの福西さんからのパスを胸トラップした時にコンタクトが外れた。その後に空振りをしたんですが、アカンと思った。
 少ない時間の中でも入れないとダメ。あのヘディング(75分)は入れなアカン。シュートを決めたかったんですが、また練習します。」
●DF 2 田中誠選手(磐田)
「(ロスタイムのカウンターの場面)人数はそろっていたんですが、クリアボールに対して一人余るという意識を高めないとダメですね。同数だと相手がうまい場合にやられてしまう。ジーコも一人余るように話していた。」

Qターゲットマンとしての大黒選手は?
―動き出しが早くスペースに入ってくれるのでパスを出しやすいですね。ぼくらは最初にトップを見るので。

Q坪井選手との連携は?
―ラインの押し上げやマークの受け渡しもできたと思う。

Qこの試合で得たものは何かあるんでしょうか?
―久しぶりの代表の試合で、試合勘を掴めました。お互いの選手同士でも連携の確認ができたと思う。UAEを終えて、最終予選に向かいたいです。
●MF 4 遠藤保仁選手(G大阪

Q稲本選手が積極的に前に出て行ってました。
―イナが前に行くと言っていたので、散らすことを意識してやっていた。ぼくのところでボールが収まった。あれを前半からやれたら良かった。
前半は球離れが遅かった。一人一人の距離を近くしたかった。ぼくとFWのラインが離れすぎていたのは事実。そこまでディフェンスラインが下がったというわけではないと思う。中盤のところでボールを取れなかった。ボールキープのうまいチームに対してはああなってしまう。南米のチームは久しぶりだった。次で結果を出して向こうに行きたい。
キリンカップという大会なので、負けたのは悔しいですが、ここで落ち込んでも仕方ない。次に向けて頑張りたい。

Q前半はなかなかFWにボールを入れられませんでしたね。
―相手が完全に前で狙っていた。無理に出しても取られる。その判断が遅れていたと思う。後は精度を上げていくだけですね。」